Cygwin + Bitbucket で Git する設定 (コマンドによる Git 入門)

概要

  この投稿では，バージョン管理ソフトウェアである Git を Cygwin 上から利用する方法について，説明する． リモートリポジトリには Bitbucket を利用することを前提とする．また，操作は基本的にコマンドを利用する． 目標は，ローカルにある既存のプロジェクトファイルを，リモートリポジトリへ push することである． なお，この記事は，Git 1 日目の素人によって綴られたことを明記しておく．

【語句】	リポジトリ	: プロジェクトのこと (ソースコードのまとまり)
	Bitbucket	: Git が利用できるリモートリポジトリの一つ．GitHub と異なり，無料で非公開にすることができる
		(ただし，一つのプロジェクトに対して，登録できる人数は 5 名までに限られる)

ローカルリポジトリの作成

  Cygwin のパッケージについて，個別に吟味してインストールするのは手間なので，すべてインストールした

■ Cygwin に Git がインストールされていることは，下記のコマンドによって確認できる

$ git --version

  インストールされていれば，下記のように，Git のバージョンを得る

git version 2.8.3

■ $ cd コマンドで移動する．(ここでは，ExampleProject という既存のプロジェクトのディレクトリへ移動したとする)

$ cd [対象のプロジェクトファイル内 (リポジトリの作成先)]

■ Git を初期化する

$ git init
Initialized empty Git repository in /[カレントディレクトリ]/.git/

  ここで，$ ls コマンドを実行すると，下記の結果を得る．(カレントディレクトリに [.git] なるファイルが作成されている)

$ ls -a
.  ..  .git  main.cpp  makefile  read_me.txt

■ Git の状態を確認する

$ git status
On branch master

Initial commit

Untracked files:
  (use "git add ..." to include in what will be committed)

        main.cpp
        makefile
        read_me.txt

nothing added to commit but untracked files present (use "git add" to track)

すると，上記のように，$ git add <file>... コマンドでファイルが追加できると教えてくれる

■ Git の管理下に置きたいファイルを追加する

  ファイルを一つずつ追加する場合

$ git add [Gitに追加するファイル]

  ( $ git status コマンドで認識されている，) 全てのファイルを追加する場合 (ファイル名の部分を. にする)

$ git add .

ここで，再び $ git status コマンドを実行すると，下記の結果を得る

$ git status
On branch master

Initial commit

Changes to be committed:
  (use "git rm --cached ..." to unstage)

        new file:   main.cpp
        new file:   makefile
        new file:   read_me.txt

ここでは，ご丁寧に，$ git rm --cached <file>... コマンドでファイルの登録を解除できると教えてくれている

■ ユーザー情報をローカルの Git に登録する

  同一 PC 上で利用する Git のデフォルト値として設定する場合

$ git config --global user.email "email@example.com"
$ git config --global user.name "yourname"

  同一 PC 上であっても，リポジトリごとに，設定を使い分ける場合

$ git config --local user.email "email@example.com"
$ git config --local user.name "yourname"

■ ローカルのリポジトリに commit する

$ git commit -m "コメント (例:first commit)"

なお，commit するには，コメントが必須である． 次は，リモートリポジトリに push する必要があるが，これについては，Bitbucket にリモートリポジトリを作成し，接続を確立した後に述べる

commit 時のコメントを変更する

□ まずは，現在の状況を確認する．

$ git log
commit XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
Author: yourname 
Date: Thu Month DD HH:MM:SS YYYY +DiffarenceFromUTC

    コメント (例:first commit)

□ 下記コマンドを実行すると，Vi エディタが開くので，コメントの内容を編集する．

$ git commit --amend
[master 456f3c6] コメント (例:first commit)
 Date: Thu Month DD HH:MM:SS YYYY +DiffarenceFromUTC
 3 files changed, 121 insertions(+)
 create mode 100755 main.cpp
 create mode 100755 makefile
 create mode 100755 read_me.txt

□ もう一度，はじめのコマンドを実行し，期待通りにコメントが編集できていることを確認する．

$ git log
commit XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
Author: yourname 
Date: Thu Month DD HH:MM:SS YYYY +DiffarenceFromUTC

    修正したコメント (例:first commit)

リモートリポジトリの作成

  Bitbucket に登録し，任意の名前のリポジトリを作成する．(登録および作成に関しては，非常に簡単なため，省略する)
ここでは，ブラウザ上から Bitbucket 上に ExampleProject という名前のリポジトリを作成したとして，話を進める．

※ もし，コマンドでリモートサーバーに新規リポジトリを作成する方法をご存じの方がいらっしゃれば，教えてください．

リモートリポジトリとの SSH 接続

SSH 接続の設定

  SSH 接続するために，まずは，秘密鍵と公開鍵のペアを作成する

■ 秘密鍵と公開鍵のペアを作成 (※アメリカ国立標準技術研究所は，3072 bits 以上堅牢な鍵を推奨している[9])

$ cd ~/.ssh
$ ssh-keygen -t rsa -b 4096 -C email@example.com

このとき，次の 2 つのファイルが作成されている

$ ls
id_rsa  id_rsa.pub

id_rsa	: 秘密鍵 (人に教えてはいけない)
id_rsa.pub	: 公開鍵 (人に教えても問題にならない) (pub は，public の pub)

■ 秘密鍵 (id_rsa) のパーミッションを 600 に変更する．(セキュリティの問題)

$ chmod 600 id_rsa

(なお，ssh フォルダのパーミッションは，通常 700 である．変更するには，$ chmod 700 ~/.ssh とすれば良い．
 現在のパーミッションを確認するには，$ cd ~/ ，$ ls -all とすれば良い．
 値は，r(読み取り): 4，w(書き込み): 2，x(実行): 1 である)

■ 作成した秘密鍵と公開鍵を移動しておく

  (~/.ssh/bitbucket/ へ id_rsa, id_rsa.pub を移動し，~/.ssh/bitbucket/id_rsa, ~/.ssh/bitbucket/id_rsa.pub とする)

$ mkdir bitbucket
$ mv id_rsa ./bitbucket
$ mv id_rsa.pub ./bitbucket

■ Cygwin に対して，秘密鍵 (id_rsa) の登録を行う．(恐らく，Cygwin 以外の Unix 系でも同様)

  □ 空のファイルを作成 (~/.ssh/ へ ~/.ssh/config を作成)

$ touch config

  □ エディタで開く (当然 Vim や Emacs 以外でも，編集できれば良い)

  ・Vim さんチーム

$ vim config

  ・Emacs さんチーム

$ emacs config

  □ エディタで開いたら，下記のように記入する

Bitbucket と Github の両方を利用する場合は，下記のように両方記入すれば良い． そうでない場合は，必要な方のみ記入すれば良い．(つまり，今回の場合は，上から 7 行だけで良い)

Host bitbucket.org
  HostName bitbucket.org
  IdentityFile ~/.ssh/bitbucket/id_rsa
  User [LogginUserNameOfBitbucket]
  Port 22
  TCPKeepAlive yes
  IdentitiesOnly yes

Host github
  HostName github.com
  IdentityFile ~/.ssh/github/id_rsa
  User [LogginUserNameOfGithub]
  Port 22
  TCPKeepAlive yes
  IdentitiesOnly yes

■ Bitbucket に公開鍵をアップロードする

  非常に簡単なため，省略する．(ここでは，ブラウザから公開鍵をアップロードしたとする)

SSH 接続

■ Bitbucket に SSH 接続する

  (新規接続のため ~/known_hosts ファイルに設定されていない未知のホストであり，) 接続先の信頼性が確立されていないので， 本当に接続したいかと聞いてくるので，yes と入力して Enter キーを押す

$ ssh -T bitbucket.org
The authenticity of host 'bitbucket.org (104.192.143.3)' can't be established.
RSA key fingerprint is SHA256:XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no)? yes <- (yes と入力して Enter)
Warning: Permanently added 'bitbucket.org,104.192.143.3' (RSA) to the list of known hosts.
Connection to bitbucket.org closed by remote host.

すると，known hosts リストに追加したとの結果を得る．
このとき，リモートホストによって，一度接続が切断されたと言っているので，もう一度接続を試みる

$ ssh -T bitbucket.org
Warning: Permanently added the RSA host key for IP address '104.192.143.1' to the list of known hosts.
logged in as [LogginUserNameOfGit].

You can use git or hg to connect to Bitbucket. Shell access is disabled.

今度は，Bitbucket に接続するために，git か hg のプロトコルを使用できる，と言っている．(shell access が無効になっているというのは，2 重に SSH 接続できないという意味？？？だと思われる)

ここまでで，Bitbucket への SSH 接続が確立した

■ 次回以降の接続

  次回以降接続する場合は，下記のように入力すると，~/.ssh/config の設定が候補として一覧表示される．

$ ssh -T [tab キー][tab キー]
bitbucket.org

  したがって，

ssh -T b[tab キー]

と入力すれば補完機能が働き自動入力される．

リモートリポジトリへの push

  リモートリポジトリへ push する方法は，Bitbucket の誘導が頼りになる．(新しいリポジトリを作成したあとに毎回表示される．ただし再表示できないので注意)

■ リモートリポジトリへ push するためには，下記のコマンドで，ローカルリポジトリの .git/config に設定を追加する必要がある

$ git remote add origin git@bitbucket.org:[LogginUserNameOfGit]/ExampleProject.git

□ もし，リポジトリ名を間違えて登録した場合に，再度，上記コマンドを実行すると，下記のエラーを得る

$ git remote add origin ssh://bitbucket.org/ExampleProject.git
fatal: remote origin already exists.

□ こうした場合，一度下記のコマンドを実行して，ローカルの設定を削除したあと，再設定する

$ git remote rm origin

■ リモートリポジトリへ push する．(このとき，当然 $ ssh -T bitbucket.org を実行して，接続を確立しておく必要がある)

$ git push -u origin --all
Warning: Permanently added the RSA host key for IP address '104.192.143.2' to the list of known hosts.
Counting objects: 4, done.
Delta compression using up to 4 threads.
Compressing objects: 100% (4/4), done.
Writing objects: 100% (4/4), 7.30 KiB | 0 bytes/s, done.
Total 4 (delta 0), reused 0 (delta 0)
To git@bitbucket.org:[LogginUserNameOfRemoteGit]/ExampleProject.git
 * [new branch]      master -> master
Branch master set up to track remote branch master from origin.

■ タグを全て push する (今回はタグをつけていないので，不要)

$ git push -u origin --tags
Everything up-to-date

ひとまず，以上の操作で，Bitbucket に push できているはずである

2 回目以降の push

  記事が長いので，2 回目の手順だけ簡潔にまとめる

■ Git の管理下に置きたいファイルを追加する

  ファイルを一つずつ追加する場合

$ git add [Gitに追加するファイル]

  ( $ git status コマンドで認識されている，) 全てのファイルを追加する場合 (ファイル名の部分を. にする)

$ git add .

■ ローカルのリポジトリに commit する

$ git commit -m "コメント (例:first commit)"

■ Bitbucket に SSH 接続する

$ ssh -T bitbucket.org

■ リモートリポジトリへ push する

$ git push -u origin --all

■ タグを全て push する (今回はタグをつけていないので，不要)

$ git push -u origin --tags

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参考資料

[1] git -Wikipedia
[2] これからGit を始めてみようという人のための使い方と入門フロー
[3] 特定のgitリポジトリでuserとemailを変える
[4] SSH認証キーをBitbucket/GitHubに設定しよう！ [Mac簡単手順]
[5] [Bitbucket]gitコマンドでBitbucketを操作する　〜基本編〜
[6] git commit --amendでコミットメッセージを修正 - piruty_joyが2015/08/17にKobitoから投稿
[7] Gitで fatal: remote origin already exists. というメッセージが出る場合 2014-10-29 Wed - ponkiti's blog
[8] gitのtagをリモートにpushする - milligramme.github.io
[9] GitHubでEd25519鍵をつかう - ひと目で尋常じゃないもふもふだと(ry

気になる記事

同一端末上でBitbucketの複数アカウントを使い分ける

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